言葉の今昔物語:200語完全比較ガイド【保存版】

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はじめに:言葉は時代を映す鏡

「ちょっと、そのテープ『巻き戻し』しておいて」
そう後輩に頼んだ時、怪訝な顔をされた経験はありませんか? デジタルネイティブ世代にとって、物理的にテープを「巻く」という行為は未知の領域です。彼らにとっては「早戻し」や「リセット」が当たり前なのです。

言葉は生き物であり、時代とともにその姿を変えていきます。技術の進歩、人権意識の高まり、外来語の浸透、あるいは単なる流行の移ろいによって、私たちが普段何気なく使っている名称は、気づかないうちに新しい呼び名へとシフトしています。かつて当たり前だった「OL」が「女性社員」へ、「看護婦」が「看護師」へと変わったように、言葉の変化はその背後にある社会の価値観の変化を色濃く映し出しています。

本記事では、昭和から平成、そして令和へと移り変わる中で呼び方が変わったモノ・コト・職業などを200個以上収集し、徹底比較しました。単なる言い換えリストにとどまらず、なぜ呼び方が変わったのか、その背景にある歴史や経緯についても可能な限り解説を加えています。

ジェネレーションギャップを埋めるための会話のネタとして、あるいは社会の変化を知る資料として、この長大なリストをご活用いただければ幸いです。それでは、言葉のタイムトラベルへ出かけましょう。

第1章:職業・役割に関する呼び方の変化

最も顕著に変化が見られるのが職業名です。男女雇用機会均等法の施行やジェンダーレス化の流れを受け、性別を特定しない名称への変更が相次ぎました。また、より専門性を強調するカタカナ語への移行も見られます。

昔の呼び方今の呼び方変化の理由・解説
保母・保父保育士1999年の法改正により名称統一。性別に関わらず同じ資格・職務であることを明確にするため。
看護婦・看護士看護師2002年の法改正で統一。「婦」が女性を指すため、男女共通の「師」へ変更された。
スチュワーデスキャビンアテンダント(CA) / 客室乗務員性差別的なニュアンスの排除と、保安業務を含む専門職であることを強調するため。「フライトアテンダント」とも。
OL (オフィスレディ)女性社員 / オフィスワーカー「Office Lady」という和製英語が、女性を職場の花として扱うニュアンスを含むため避けられるようになった。
営業マン営業担当 / 営業職「マン(男性)」が含まれるため、性別を問わない表現へ移行。英語圏でも「Salesperson」が主流。
ガードマン警備員 / セキュリティスタッフこちらも「マン」の排除と、より職務内容を明確にするため。
カメラマンフォトグラファー / 撮影スタッフ写真家としての専門性を強調する場合や、性別を問わない表現として。
キーパンチャーデータ入力担当パンチカードシステムの衰退とともに名称も変化。
給仕ウェイター・ウェイトレス / ホールスタッフ身分制度的な響きを避け、役割を明確にするため。現在はさらに男女区別のない「ホールスタッフ」が主流。
用務員校務員 / 管理作業員学校運営を支える重要な役割として、より実態に即した名称へ変更される傾向。
婦人警官 (婦警)女性警察官「婦人」という言葉が持つ既婚女性のニュアンスなどを避け、対等な警察官であることを示すため。
助産婦助産師2002年に看護師と同様に「師」へ変更。専門職としての地位向上の意味も。
保健婦保健師同上。男女共通の資格名称として統一。
栄養士管理栄養士 / 栄養士資格の高度化に伴い、より上位の国家資格である「管理栄養士」という呼称が一般的になった。
家政婦ハウスキーパー雇用形態の変化や、プロフェッショナルなサービスとしてのイメージ刷新のため。
美容部員ビューティーアドバイザー (BA)販売だけでなく、専門的な助言を行う役割を強調するため。
土工土木作業員侮蔑的な響きを避け、職種を正確に表すため。
人足作業員前近代的な身分呼称を廃止するため。
百姓農家 / 農業従事者差別用語とされる場合があるため、職業としての中立的な表現へ。
坊さん僧侶親しみを込めた呼び方だが、公的な場や報道では「僧侶」が用いられる。
床屋理容室 / 理容師「床屋」が放送禁止用語(差別用語)とされる場合があり、正式名称が定着。
パーマ屋美容室 / 美容師提供サービスがパーマ以外にも多岐にわたるため。
植木屋庭師 / 造園業職人としての技術や、事業内容の広がりを表すため。
板前調理師 / 料理人和食以外の料理人も増え、資格名称である調理師や、総称としての料理人が一般化。
コックシェフ / 調理スタッフ「コック」より「シェフ(料理長)」の響きが好まれる傾向や、役割の明確化。
女中仲居 / 客室係封建的な主従関係を想起させるため、役割に基づく名称へ。
番頭マネージャー / 店長商店の近代化に伴い、役職名もカタカナや現代的なものへ変化。
丁稚(でっち)見習い / 研修生徒弟制度の廃止とともに言葉も消失。
先生(医師に対して)ドクター / 医師院内での職種間連携において、役割を明確にするため「ドクター」と呼ぶケースが増加。
不動産屋不動産業者 / 宅建業者「屋」という呼び方が蔑称と受け取られる場合があるため。

第2章:日用品・ファッション・生活雑貨

ファッション業界は「言い換え」の宝庫です。古い言葉を新しい横文字に変換することで、新鮮で洗練されたイメージを付与しようとするマーケティング戦略が働いています。

昔の呼び方今の呼び方変化の理由・解説
ズボンパンツ / ボトムスフランス語のjupon由来から、英語のpantsへ。下着のパンツとの混同を避けるため「ボトムス」とも。
ジーパンデニム / ジーンズ生地(デニム)や製品名(ジーンズ)で呼ぶのが主流に。「Gパン」は和製英語。
パンタロン / ラッパズボンフレアパンツ / ブーツカットヒッピー文化の象徴から、ファッションアイテムとして再定義。
スパッツレギンス2006年頃からファッション業界が主導して呼称変更。丈の長さや素材感で使い分けることも。
トックリタートルネック徳利(とっくり)に形が似ていることから。現在は形状を英語で表現。
チョッキベスト / ジレポルトガル語由来から英語(ベスト)やフランス語(ジレ)へ。ジレはより装飾的な意味合いが強い。
ジャンパーブルゾン / アウター作業着のイメージから、ファッション性を高めるためにフランス語由来のブルゾンへ。
チャック / ファスナージッパー巾着(きんちゃく)が語源説あり。YKKなどは「ファスナー」を使用するが、ファッション用語としては混在。
背広スーツ「Savile Row」が語源説などあるが、現在はセットアップ全体を指すスーツが一般的。
ホットパンツショートパンツ露出の激しさを強調する言葉から、丈の長さを表す言葉へ。
短パンハーフパンツ子供っぽい印象を避けるため。
シミーズキャミソール / インナーフランス語chemiseから。現在はアウターとしても着られるキャミソールが主流。
猿股(さるまた)ボクサーブリーフ / パンツ形状の変化とともに完全に死語化。
股引(ももひき)レギンス / インナータイツ機能性インナーの普及により、おしゃれな響きへ。
腹巻ウエストウォーマー健康グッズとして再評価され、呼び方も現代風に。
耳あてイヤーマフ防寒具からファッション小物への変化。
麦わら帽子ストローハット素材名を英語にしてスタイリッシュに。
長靴レインブーツ雨の日の実用品から、ファッションアイテムへの昇華。
外套(がいとう)コート明治・大正の響きから、一般的な英語へ。
合羽(かっぱ)レインコートポルトガル語capa由来。現在はビニール製以外の高機能素材も増えたため。
運動靴スニーカー体育の時間だけでなく、日常のファッションとして定着したため。
上履きインナーシューズ学校指定などで現代的な呼称が使われることも。
つっかけサンダル / ミュール簡易な履物から、デザイン性のあるものへ。
下駄箱シューズボックス / シューズロッカー下駄を入れることがほぼなくなったため。
襟巻きマフラー / ストール用途や素材によって細分化されたが、総称としてもマフラーが定着。
手袋グローブ特にスポーツや専門的なシーンでグローブと呼ばれる。
よだれかけスタイ / ビブ衛生用品というより、ベビーファッションの一部として認識されるように。
おしめおむつ / ダイパー「湿め(しめ)」から「おむつ」へ。医療現場ではダイパーとも。
乳母車ベビーカー / バギー英語のBaby car(和製英語)が定着。海外ではストローラー。
おんぶ紐ベビーキャリア / 抱っこ紐機能の進化とともに名称も変化。
筆箱ペンケース筆を入れる箱から、ペンを入れる袋状のものへ形状が変化。
鞄(かばん)バッグ日常会話ではバッグが優勢。
ランドセルスクールバッグ一部インターナショナルスクールや機能性バッグで呼称が変化。
雑嚢(ざつのう)ショルダーバッグ / リュック軍隊用語由来から、一般的な形状名へ。
ポシェットミニショルダー / サコッシュ小型の肩掛け鞄。近年は自転車レース由来のサコッシュが流行。
ウエストポーチボディバッグ腰に巻くより、斜め掛けするスタイルが定着したため。
ナップザックバックパック / リュックサック紐で絞る簡易なものを指すようになり、本格的なものはバックパックへ。
寝間着パジャマ / ルームウェア和装の寝間着が減り、洋装が標準化したため。
半ドン午前授業 / 半日勤務オランダ語Zontag(休日)の半分の意。週休二日制の定着で死語に。
月謝授業料 / 受講料先生への謝礼という意味合いから、サービスへの対価という意識へ。

第3章:テクノロジー・AV機器・メディア

技術の進化速度が最も速い分野です。媒体(メディア)そのものが消滅したり、デジタル化によって概念が変わったりした例が多数あります。

昔の呼び方今の呼び方変化の理由・解説
巻き戻し早戻し / レビューテープを物理的に「巻く」動作がなくなったため。デジタルデータでは瞬時に戻る。
チャンネルを回すチャンネルを変えるテレビのダイヤル式つまみが消滅したため。
ビデオ動画 / ムービー記録媒体としてのVHS(ビデオテープ)がなくなり、データとしての動画を指すように。
写真機カメラ完全に英語化。
DPE屋 / 現像屋プリントショップ / 写真屋フィルム現像の需要激減に伴い、プリントサービスへ業態変化。
電子計算機コンピューター / PC計算以外の用途が主になったため。
電算室サーバールーム / 情報システム部部署名や部屋の名称も現代風に。
携帯電話スマホ / スマートフォンガラケー(フィーチャーフォン)との区別。単に「携帯」と言うとガラケーを指すこともあったが今はスマホが標準。
写メール写メ / 画像送信 / MMSJ-PHONE(現ソフトバンク)のサービス名だったが、一般名詞化し、現在はLINEなどで写真を送る行為に吸収。
赤外線通信AirDrop / Bluetooth転送連絡先交換の手段が変わった。
ダイヤルアップブロードバンド / 光回線インターネット接続方式の進化。
ホームページウェブサイト本来はブラウザの起動ページを指すが、サイト全体を指す誤用が定着した後、正しくはWebサイトと呼ばれるように。
掲示板 (BBS)SNS / コミュニティ / フォーラムコミュニケーション形式の変化。
キリ番(概念として消失)カウンター文化の衰退とともに消滅。今は「フォロワー〇人達成」など。
着メロ着信音メロディを自作・購入する文化から、内蔵音やアプリ通知音へ。
フロッピーディスクUSBメモリ / クラウドストレージ記録媒体の交代。保存アイコンとしてのみ意匠が残る。
レコードアナログ盤 / バイナル(Vinyl)DJ文化や再ブームにより、素材名(ビニール)で呼ばれることも。
ステレオ / コンポオーディオ / スピーカー大型のセットコンポが減り、Bluetoothスピーカーなどが主流に。
ウォークマンポータブルプレイヤー / DAPソニーの商品名だが総称として使われていた。今はスマホで聴くのが主流。
ブラウン管液晶 / 有機EL / ディスプレイ表示方式の技術革新。
幻灯機プロジェクタースライド映写機からデジタルプロジェクターへ。
タイプライターキーボード / ワープロPC入力デバイスへの移行。
テレホンカードICカード / 電子マネー公衆電話の激減により用途が限定的に。
ポケベル(サービス終了)メッセージングアプリの祖先。
ファミコンゲーム機 / コンソール任天堂の機種名だが、昔はゲーム機全般を指していた。
ピコピコテレビゲーム電子音の擬音で呼んでいた時代の名残。
カセットカートリッジ / ゲームカードゲームソフトの形状変化。
攻略本攻略wiki / 攻略サイト紙媒体からネット上の集合知へ。
裏技チート / グリッチ / ハック隠しコマンドから、不正プログラムやバグ利用まで意味が拡散。
アベックカップル / リア充フランス語avec(~と一緒に)から英語coupleへ。
ランデブーデート宇宙開発用語以外では死語に。
逢瀬(おうせ)デート / 密会古風な文学的表現。
文通メッセージ交換 / DM手紙からデジタルテキストへ。
ペンフレンドメル友 / フォロワー媒体の変化。
オフ会ミートアップ / 交流会パソコン通信時代の用語だが、ネット発のリアル会合として定着しつつも、よりカジュアルな呼び方も。
ネチケットネットリテラシーエチケットから、より広範な知識・能力(リテラシー)へ。
マルチメディアデジタルコンテンツ / IT死語の代表格。テキスト・音声・動画が統合されているのが当たり前になったため。
OA (オフィスオートメーション)IT / DX業務効率化の手段がPC導入からデジタルトランスフォーメーションへ。
インベーダーゲームアーケードゲーム特定のゲーム名が代名詞だった時代からジャンル名へ。
魔法瓶ステンレスボトル / 真空断熱ボトルガラス製の内瓶からステンレス製への進化。

第4章:食品・料理・飲食店

食の分野では、欧米化、高級化、そして「本場感」を出すための現地語採用が進んでいます。昭和の洋食メニューが、平成・令和ではイタリアンやフレンチの正式名称に置き換わっています。

昔の呼び方今の呼び方変化の理由・解説
スパゲッティパスタパスタは麺類の総称だが、スパゲッティ(細長い麺)を含めてパスタと呼ぶのがおしゃれとされた。
イタ飯イタリアンバブル期の俗称から、一般的なジャンル名へ。
メリケン粉小麦粉Americanが訛った言葉。戦後、品質向上とともに一般名称へ。
ホットケーキパンケーキ厚みのある甘いものがホットケーキ、薄くて食事用も含むのがパンケーキとされるが、ブームによりパンケーキ呼びが優勢。
冷コー(レイコー)アイスコーヒー関西中心の略語だが、全国チェーンの普及で標準語へ。
ミルクセーキシェイク / スムージー卵と牛乳の飲料から、アイスベースや果物ベースの飲料へ多様化。
レスカレモンスカッシュ昭和の喫茶店用語。
サ店 / 喫茶店カフェ業態の変化。純喫茶とカフェは区別される傾向も。
ビフテキステーキbifteck(仏語)由来。現在は部位や焼き方を指定するステーキが一般的。
ハンバーグハンバーグステーキ / ハンバーガーパティパンに挟むパティとの区別など。
カレールーカレーソース / グレイビー本格的なカレー店が増え、ルー(小麦粉と油脂)を使わないカレーも普及したため。
ライスカレーカレーライスご飯とルーが別盛りか、最初から掛かっているかの違い説などあるが、現在はカレーライスが総称。
支那そばラーメン / 中華そば「支那」という言葉を避けるため。
お冷(おひや)水 / ウォーター飲食店での丁寧語だが、カジュアルな店では単に水。
突き出し / お通しアペタイザー / 前菜 / チャージ会計システムとしてのテーブルチャージの意味合いが強いため。
デザートスイーツ / ドルチェ食後の菓子だけでなく、甘味全般を指す言葉としてスイーツが定着。
おやつ間食 / スナック栄養管理の観点や、軽い食事の意味合いで。
カンパンクラッカー / 保存食軍用食のイメージから、日常的な食品へ。
缶詰缶フード / プリザーブドフードグルメ缶詰の流行などで呼び方も変化。
味の素うま味調味料商品名から一般名称へ。NHKなど公共放送での配慮。
化学調味料うま味調味料「化学」が体に悪いイメージを与えるため、メーカー団体が呼称変更。
サラダ油植物油 / キャノーラ油健康志向により原料名を明示するように。
天ぷら油揚げ油用途を限定しない表現へ。
砂糖水シロップカクテルやカフェ用語として。
ブドウ酒ワイン完全にカタカナ語が定着。
洋酒ウイスキー / ブランデー / スピリッツ輸入酒全般を指す言葉から、酒類ごとに細分化。
水割りウイスキー・アンド・ウォーターバー用語として。
ビアガーデンビアテラス / ルーフトップバー昭和的な赤提灯のイメージから、おしゃれな空間へ。
定食屋ダイニング / ごはん処女性も入りやすい店舗づくりに伴う改称。
屋台フードトラック / キッチンカー移動販売車の現代版。
出前デリバリー / ウーバープラットフォーム型サービスの普及により。
持ち帰りテイクアウト / To Go英語表現が定着。
食べ放題ビュッフェ / バイキングバイキングは和製英語(帝国ホテルのレストラン名由来)。現在はビュッフェが主流。
朝食モーニング / ブレックファスト外食産業での呼び方。
昼食ランチ同上。
夕食ディナー / サパー同上。
夜食ミッドナイトスナックあまり使われないが、深夜メニューとして。
お子様ランチキッズプレート / キッズメニューランチ以外の時間帯でも提供するため。
松花堂弁当BENTO / ボックスランチ海外での日本食ブームを受け、逆輸入的に呼ばれることも。
おにぎりライスボール同上。おしゃれなカフェなどで。
台所キッチンシステムキッチンの普及。
流し台シンクステンレス製の近代的設備。
お勝手キッチン / バックヤード女性が隠れて食事をする場所というニュアンスを排除。
茶の間リビング / ダイニングちゃぶ台からソファとテーブルへ生活様式が変化。
食卓ダイニングテーブル家具の洋風化。

第5章:社会・教育・病気・その他

ここでは、差別的表現の是正や、より実態に即した表現への変更、そして医学的な見地からの名称変更などをまとめました。

昔の呼び方今の呼び方変化の理由・解説
成人病生活習慣病加齢だけでなく、生活習慣が原因であることを強調し、予防を促すため(1996年~)。
痴呆症認知症「痴呆」が侮蔑的な意味を持つため、2004年に厚労省が変更。
精神分裂病統合失調症誤解や偏見を減らすため、2002年に学会が名称変更。
躁うつ病双極性障害状態をより客観的に表す医学用語へ。
ノイローゼ神経症 / 適応障害など独語Neurose由来だが、曖昧な俗語となったため、具体的な診断名へ。
植物人間遷延性意識障害人権への配慮と医学的な正確さのため。
めくら / おし / つんぼ視覚障害者 / 聴覚障害者差別用語として放送禁止・使用自粛対象に。
片手落ち手落ち / 不備身体障害を連想させる表現を避けるため。
父兄保護者「父と兄」に限らず、母親や親族も含むため。
母子手帳親子健康手帳育児は母親だけのものではないという意識改革(一部自治体で採用)。
保活(昔は用語なし)保育園入園活動。待機児童問題の深刻化で生まれた造語。
寿退社(死語に近い)結婚=女性の幸せ・退職という価値観の変化。単に「結婚に伴う退職」。
腰掛け(死語)結婚までのつなぎ就労を指す差別的表現。
玉の輿セレブ婚表現の現代化。
できちゃった婚授かり婚 / おめでた婚ネガティブなニュアンスをポジティブに言い換え。
未亡人遺族 / シングルマザー「夫と共に死ななかった人」という前近代的な意味を避けるため。
老人高齢者 / シニア「老いた人」より、年齢が高い人という中立的表現へ。
老人ホームシニアレジデンス / ケアハウス / 介護施設施設の種類が多様化し、明るいイメージへ。
ゲートボールグラウンドゴルフ競技人口の移動。ゲートボール=高齢者の代名詞からの脱却。
シルバーシート優先席高齢者だけでなく、妊婦や怪我人も対象であることを明確にするため。
ボランティア社会貢献活動 / プロボノ無償奉仕だけでなく、スキルを活かした活動(プロボノ)など概念が拡大。
乞食(こじき)ホームレス / 路上生活者差別的ニュアンスの排除と、居住実態を表す言葉へ。
浮浪者ホームレス同上。
不良ヤンキー / 非行少年昭和のツッパリ文化から。現在は死語になりつつある。
アベック台風(死語)2つの台風。今は使われない。
ハーフミックス / ダブル「半分」ではなく、2つの文化を持つ「ダブル」という肯定的な捉え方へ。
外人外国人 / 海外の方「外の人」という排他的ニュアンスを避けるため。
発展途上国新興国 / グローバルサウス経済成長著しい国々を指すポジティブな表現や、地政学的な呼称へ。
第三世界開発途上国 / 南側諸国冷戦構造の崩壊により使われなくなった。
美白ブライトニング / トーンアップ「白い肌=美」という価値観の人種的偏見への配慮(化粧品業界で進行中)。
肌色うすだいだい / ペールオレンジ肌の色は一色ではないという教育的配慮から、クレヨンの色名が変更。
男女共生ジェンダー平等 / ダイバーシティ単なる共存から、社会的・文化的な平等の実現へ。
女装・男装クロスドレッシング趣味や表現の一環として。
オカマ・オナベトランスジェンダー / LGBT当事者を傷つける蔑称から、アイデンティティを尊重する呼称へ。
心中無理心中 / 同意なき殺人美化された心中ではなく、実態としての殺人・自殺であることを報道で明確化。
登校拒否不登校本人の意志で「拒否」しているとは限らないため、状態を表す言葉へ。
落ちこぼれ学力不振 / 学習支援対象個人の資質の問題とせず、支援が必要な状態と捉える。
偏差値(概念として残存)教育現場では過度な重視を見直す動きも。
ゆとり教育(歴史用語化)脱ゆとりを経て、現在は「生きる力」重視へ。
体育の日スポーツの日体育(教育)からスポーツ(楽しみ)へ意味を広げるため(2020年~)。
ゴールデンウィーク大型連休映画業界の宣伝用語であることと、休めない人への配慮からNHKなどは言い換え。
プレミアムフライデー(定着せず)月末金曜の早期退社推奨キャンペーン。自然消滅気味。
クールビズ(定着)夏場の軽装。定着しすぎて特別感がなくなった。
省エネエコ / サステナブルエネルギー節約から、環境全体への持続可能性へ。
公害環境問題特定の工場排煙などから、地球規模の気候変動などへスコープが拡大。
リサイクルサーキュラーエコノミー / 3R単なる再利用から、経済システム全体での資源循環へ。
産業廃棄物産廃 / 資源廃棄物ではなく資源として捉え直す動き。
焚き火(規制対象)野焼き禁止などで日常風景から消失。キャンプ用語として残る。
野良犬(ほぼ消滅)狂犬病予防法と保健所の活動により都市部から姿を消した。
雑種ミックス犬純血種でないことをネガティブに捉えない表現へ。
ペットコンパニオンアニマル / 伴侶動物愛玩動物から、共に生きる家族へ。
エサフード / ごはん動物への敬意。
しつけトレーニング強制するニュアンスから、学習させるニュアンスへ。
スチュワーデス物語(ドラマ名)今の感覚ではタイトル自体が放送コードに抵触する可能性がある象徴。
トレンディドラマ(ジャンル名)バブル期のドラマを指す歴史用語。今は「月9」なども求心力低下。
2枚目イケメン歌舞伎用語由来。今はイケメンが覇権。
3枚目いじられキャラ / バラエティ担当役割の変化。
ぶりっ子あざとい計算された可愛さを、ある種肯定的に捉えるニュアンスも含む「あざとい」へ。
ナウい(死語)エモい / チルい / 尊い
感情の揺れ動きを表す言葉へ進化
ダサいイタい / 微妙価値観の多様化により、一概にダサいと言えなくなった。
KY (空気読めない)コミュ障(ただし意味合いは違う)空気を読む圧力は減ったが、コミュニケーション不全への悩みは残る。
メル友LINE友達 / 相互フォロワープラットフォームの変化。
出会い系マッチングアプリ怪しいイメージを払拭し、市民権を得た。
ネットサーフィン(死語)スマホで常時接続が当たり前になり、わざわざ「巡回する」感覚が消えた。
リンク集(死語)検索エンジンの進化とSNSシェアにより不要に。
ブックマーク / お気に入り保存 / いいねブラウザ機能よりSNS内機能がメインに。
ウイルスマルウェアウイルス以外にもスパイウェアなど種類が増えたため総称として。
ハッカークラッカー / サイバー攻撃者ハッカーは本来高い技術を持つ人を指す尊称であり、悪用する人を区別するため。
親指族(死語)ガラケーを親指で高速入力する若者。フリック入力世代には通じない。
バリ3(死語)アンテナ3本で電波良好の意。
パケ死ギガ不足 / 速度制限従量課金による高額請求から、定額制の容量上限到達へ悩みが変化。
着信アリ通知 / 履歴ホラー映画のタイトルになるほどの言葉だったが。
ダイヤルQ2(サービス終了)情報料回収代行サービス。ネット決済へ移行。
テレクラ(衰退)パパ活 / マッチングアプリへ移行。
援助交際パパ活よりカジュアルで契約的なニュアンスを含む言葉へ変化(実態の問題は残る)。
ヒモ寄生 / パラサイト経済的に依存する男性。
キャリアウーマンバリキャリバリバリ働くキャリア女性。対義語はゆるキャリ。
専業主婦主婦 / シュフ(主夫含む)共働きが標準となり、専業が減少。
寿退職(前述)キャリア断絶を意味するため、現在はあまり祝福されない場合も。
亭主関白モラハラ(一部)威厳ある夫から、精神的DVと見なされる場合も。
恐妻家愛妻家 / 尻に敷かれるパワーバランスの表現。
鍵っ子(死語に近い)共働き家庭の子供。学童保育の普及などで言葉自体があまり使われなくなった。
日曜大工DIYDo It Yourself。趣味性が高く、女性の参入も増えた。
糊(のり)グルー / テープのり液体のりから使いやすい形状へ。
修正液修正テープ乾燥時間を待つ必要がないテープが主流に。
和式トイレ(減少)洋式トイレが標準化。
洋式トイレトイレあえて「洋式」と言う必要がなくなった。
ボットン便所汲み取り式トイレ衛生環境の向上。
タバコ屋(減少)コンビニや自販機へ。
駄菓子屋(減少)スーパーの駄菓子コーナーや、レトロ体験施設へ。
ゲームセンターアミューズメント施設クレーンゲーム中心の明るい場所へ変化。
出張ビジネス・トリップ / ワーケーション遊びを兼ねたワーケーションという概念も登場。
慰安旅行社員旅行 / チームビルディング「慰安」の語感や、強制参加の宴会旅行を避ける傾向。
月給袋給与明細 / Web明細現金手渡しから振込へ。さらに明細もペーパーレス化。
ボーナス賞与 / 一時金会社規定の用語が一般的。
ベースアップ(ベア)賃上げニュース用語として残るが、実感としては賃上げ。
ストライキ(減少)公共交通機関のストが激減。
メーデー(形骸化)労働者の祭典としての存在感が薄れた。
ゼロックスコピー社名が一般名詞化していたが、今はコピー機、複合機。
ホッチキスステープラー商品名から一般名称へ(文具業界など)。
マジック油性マーカー商品名から一般名称へ。
セロテープセロハンテープ / 透明テープ商品名(ニチバン)から一般名称へ。
バンドエイド / サビオ絆創膏地域によって商品名が異なるが、総称は絆創膏。
シャープペンシルメカニカルペンシル海外ではMechanical pencil。日本独自の呼称。
万年筆(高級筆記具)日常用具から趣味の道具へ。
下敷き(減少)ノートの紙質向上やペンの変化で必須ではなくなった。
出席簿タブレット / 管理システム電子化が進む。
黒板ホワイトボード / 電子黒板粉が出ない、デジタル保存可能などの利便性。
チョークマーカー / スタイラスペン同上。
OHP書画カメラ / 実物投影機透明シートを使う投影機から、カメラで映す方式へ。
藁半紙(わらばんし)再生紙 / コピー用紙印刷機の変化により消滅。
ガリ版謄写版(とうしゃばん)簡易印刷技術。レトロ趣味として一部残存。
回覧板メーリングリスト / グループLINE地域コミュニティの希薄化とデジタル化。
井戸端会議ママ友ランチ / グループチャット場所の移動。
お茶汲み(廃止傾向)女性社員の雑務とされていたが、セルフサービスやサーバー設置へ。
肩たたきリストラ勧告退職強要の隠語。
リストラ解雇 / 人員整理本来はRestructuring(再構築)だが、日本では首切りの意味で定着。
窓際族社内ニート / 妖精さん仕事がないまま会社にいる人。見えにくい存在として「妖精」とも。
ドサ回り地方営業 / ルーティンワーク差別的表現の排除。
接待会食 / ビジネスディナー過度な接待の禁止やコンプライアンス強化。
中元・歳暮ウィンターギフト / サマーギフト虚礼廃止の流れで減少、カジュアルなギフトへ。
年賀状あけおめLINE / デジタル年賀ハガキ文化の衰退。
お年玉(キャッシュレス送金)PayPayなどで送るケースも出現。
香典(一部キャッシュレス)葬儀の簡素化、家族葬の増加。
結納顔合わせ食事会形式ばった儀式の省略。
仲人(減少)結婚式での仲人廃止が一般的。
お見合い婚活パーティー / マッチング個人主導の活動へ。

※注:上記の表における「変化の理由」は一般的な傾向や説に基づいています。地域や業界、個人の感覚によって異なる場合があります。

まとめ:言葉の背景にある「優しさ」と「戦略」

200を超える言葉の変遷を振り返ってみると、いくつかの大きな潮流が見えてきます。

一つ目は、「差別や偏見の排除」です。「保母」から「保育士」へ、「痴呆」から「認知症」への変化は、職業のジェンダーレス化や、病気を持つ人々への人権配慮が原動力となっています。言葉を変えることで意識を変えようとする社会の努力の跡と言えるでしょう。

二つ目は、「テクノロジーによる物理的実態の消失」です。「巻き戻し」や「ダイヤルを回す」のように、動作そのものがなくなったにもかかわらず言葉だけが残っているケースや、完全に新しい言葉(タップ、フリックなど)に置き換わったケースです。これは技術革新のスピードを物語っています。

そして三つ目は、「イメージ刷新のマーケティング戦略」です。「長靴」を「レインブーツ」、「肌着」を「インナー」と言い換えることで、古臭いイメージを払拭し、新たな付加価値(おしゃれ感、高級感)を生み出そうとする企業の意図が働いています。

「昔の呼び方」を知ることは、単なる懐古趣味ではありません。それは、私たちが歩んできた社会の歴史を知ることであり、今使われている「新しい呼び方」がどのような願いや意図を持って生まれたのかを理解することでもあります。

次に誰かが「ズボン」と言ったとき、あるいはうっかり「巻き戻し」と言ってしまったとき、その言葉の背後にある時代の空気に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

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