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将棋は、二人のプレイヤーが9×9の盤上で交互に駒を動かし、相手の「王将(玉将)」を詰ませたほうが勝ちとなる日本生まれのボードゲームです。「日本のチェス」と紹介されることもありますが、将棋には「取った相手の駒を自分の持ち駒として再び盤上に打てる」という世界的にも極めて珍しいルールがあり、これがゲームの性格をまったく異なるものにしています。
駒が減らないどころかむしろ使い回されるため、終盤に向かうほど盤面は複雑になり、逆転劇が起きやすい。この独特の緊張感が、将棋を何百年もの間愛され続ける知的競技たらしめている最大の理由です。
将棋の歴史
将棋の起源は、古代インドのチャトランガというゲームにあるとされています。チャトランガは西方に伝わってチェスとなり、東方に伝わって中国の象棋(シャンチー)や日本の将棋へと枝分かれしました。日本には奈良時代から平安時代にかけて伝来したと考えられており、奈良県の興福寺境内からは11世紀のものとされる日本最古の将棋駒が出土しています。
戦国時代から江戸時代にかけて現在の9×9、40枚の駒を用いるルールがほぼ確立され、江戸幕府のもとでは「将棋所」という公的な役職が設けられるなど、武家文化のなかで大きく発展しました。家元制度によって棋力の研鑽が重ねられ、庶民の間でも縁台将棋として広く親しまれるようになります。
現代では日本将棋連盟がプロ棋士の制度を運営しており、タイトル戦をはじめとする数多くの公式戦が行われています。近年は藤井聡太棋士の活躍により社会的な注目度がさらに高まり、将棋を始める子どもや若い世代が急増しています。
盤と駒の基本
将棋で使用するのは、縦9列×横9段の計81マスで構成された将棋盤と、全部で40枚の駒です。二人のプレイヤーがそれぞれ20枚ずつの駒を持ってゲームを開始します。
将棋の駒は五角形をしており、先端が尖った方向が相手陣を向くように置きます。チェスのように色で区別するのではなく、駒の向きによってどちらのプレイヤーのものかを判別する仕組みです。
各プレイヤーが持つ駒の種類と枚数は以下の通りです。「王将(おうしょう)」または「玉将(ぎょくしょう)」が1枚。「飛車(ひしゃ)」が1枚。「角行(かくぎょう)」が1枚。「金将(きんしょう)」が2枚。「銀将(ぎんしょう)」が2枚。「桂馬(けいま)」が2枚。「香車(きょうしゃ)」が2枚。そして「歩兵(ふひょう)」が9枚。合計20枚です。
駒の動かし方
将棋の面白さは、駒ごとに異なる動き方が定められている点にあります。それぞれの駒の基本的な動きを見ていきましょう。
**王将(玉将)**は、周囲八方向すべてに1マスずつ動ける万能な駒です。ただし、この駒を取られると負けになるため、常に守りを意識しなければなりません。
飛車は、縦と横の四方向に何マスでも自由に動ける強力な駒です。盤上を縦横無尽に走り回るその威力から、「大駒」のひとつに数えられます。
角行は、斜め四方向に何マスでも動けます。飛車と並ぶもうひとつの「大駒」で、斜めのラインを支配する力は絶大です。
金将は、前方三方向(前・左前・右前)と、真横の二方向、そして真後ろの1マスに動けます。斜め後ろには動けないのが特徴で、王将の護衛役として重要な役割を果たします。
銀将は、前方三方向(前・左前・右前)と斜め後ろの二方向に1マスずつ動けます。金将とは対照的に、真横と真後ろには動けません。攻めにも守りにも使える汎用性の高い駒です。
桂馬は、将棋の駒の中で唯一、他の駒を飛び越えることができる特殊な存在です。前方に2マス進んだ地点の左右1マスの位置、つまりチェスのナイトに似た「L字型」のうち前方二箇所にだけ跳ぶことができます。
香車は、前方にのみ何マスでもまっすぐ進むことができます。後退や横移動はできないため、一度前に出ると引き返せない突撃型の駒です。
歩兵は、前に1マスだけ進める、もっとも基本的な駒です。枚数が9枚と多く、一見地味ですが、「歩のない将棋は負け将棋」という格言があるほど、実は勝敗を左右する重要な存在です。
成り(成駒のルール)
将棋盤の相手側から数えて三段目までの領域は「敵陣」と呼ばれ、自分の駒がこのエリアに入ったとき、またはこのエリア内で動いたとき、あるいはこのエリアから出たときに、駒を裏返して「成る」ことができます。成ることで駒の動き方がパワーアップします。
飛車は成ると「龍王(りゅうおう)」となり、縦横に加えて斜め四方向にも1マスずつ動けるようになります。角行は成ると「龍馬(りゅうま)」となり、斜め移動に加えて縦横にも1マスずつ動けるようになります。いずれも盤上最強クラスの駒に変貌します。
銀将・桂馬・香車・歩兵は、成るとすべて金将と同じ動きになります。とくに歩兵が成った「と金(ときん)」は、もっとも安い駒が金将の働きをするという意味で非常にお得な変化であり、戦術上の重要なポイントとなります。
なお、金将と王将(玉将)は成ることができません。また、成るかどうかは基本的にプレイヤーの任意ですが、桂馬や香車、歩兵がこれ以上前に進めない位置に到達した場合は、必ず成らなければなりません。
持ち駒と「打つ」ルール
将棋最大の特徴が、この持ち駒のルールです。相手の駒が置かれたマスに自分の駒を動かすと、その相手の駒を盤上から取り除いて自分の「持ち駒」とすることができます。持ち駒は自分の手番で、駒を動かす代わりに盤上の空いているマスに打つ(置く)ことができます。このとき、取った駒が成駒であっても、必ず表(元の状態)に戻して打たなければなりません。
この仕組みによって将棋の戦略性は飛躍的に高まります。チェスでは駒が取られれば二度と戻りませんが、将棋では取られた駒が敵の戦力として蘇ります。「攻めれば攻めるほど相手の持ち駒が増える」という緊張感があり、単純な駒得だけでは有利とは限らない、奥深い駆け引きが生まれるのです。
ただし、持ち駒を打つ際にはいくつかの制限があります。「二歩(にふ)」の禁止は、同じ縦の列に自分の歩兵を二枚置いてはならないというルールです。これは将棋の反則のなかでもっとも有名で、プロの公式戦でもまれに発生して話題になることがあります。また、歩兵を打って直接相手の王将を詰ませる「打ち歩詰め(うちふづめ)」も禁じられています。さらに、桂馬や香車、歩兵をそれ以上動けない位置に打つこともできません。
勝敗の決まり方
将棋の最終目標は、相手の王将(玉将)を「詰み」の状態にすることです。詰みとは、王将がどこに逃げても、何で防いでも、次の手で必ず取られてしまう状態を指します。王将が詰まされたプレイヤーの負けとなり、逆に言えば、他の駒がすべて取られたとしても王将さえ詰まされなければ負けではありません。
実際の対局では、詰みの数手前の段階で形勢が絶望的と判断したプレイヤーが「負けました」と宣言して投了する(自ら負けを認める)ことが一般的です。この潔い投了の文化は将棋の美学のひとつとして大切にされています。
将棋の魅力と楽しみ方
将棋の魅力は幾重にも重なっています。まず、持ち駒のルールが生み出す無限に近い局面の数。将棋の可能な局面数は10の226乗以上とも試算されており、これはチェスの10の120乗を大きく上回ります。一局として同じ展開にならないからこそ、何千局指しても飽きることがありません。
また、将棋には「序盤・中盤・終盤」それぞれに異なる面白さがあります。序盤は戦型の選択と駒組みの構想力、中盤は攻防が入り乱れる読みと判断力、終盤は一手のミスが即敗北につながる鋭い終盤力が求められ、総合的な思考力が問われます。
楽しみ方も多様です。対面で盤を挟んで指すのはもちろん、インターネット上の将棋対局サイトやアプリを使えば、いつでもどこでも対局相手が見つかります。棋力に応じたレーティングシステムが整備されているため、自分と同程度の実力の相手と緊張感のある対局を楽しむことができます。プロ棋士のタイトル戦をリアルタイムで観戦する「観る将(みるしょう)」という楽しみ方も近年大きな広がりを見せており、必ずしも自分で指さなくても将棋の世界を堪能できます。
子どもの習い事としても将棋は人気が高まっています。論理的思考力、集中力、相手の立場で考える力、そして負けを受け入れる心の強さ。将棋を通じて育まれる力は、盤上だけでなく日常生活のさまざまな場面で活きてきます。
ゲームで遊ぼう
下のボードで遊ぶことができますので、暇つぶしにパソコンやスマートフォンなどで遊んでみてください。
将棋は、たった81マスの盤と40枚の駒から、無限の物語が紡ぎ出される知的ゲームです。ルールそのものは一日あれば覚えられますが、その先に広がる世界は果てしなく深い。だからこそ、何百年もの間、人々はこの盤の前に座り続けてきました。
まだ将棋に触れたことがない方は、まず駒の動かし方を覚えて、誰かと一局指してみてください。たとえ負けても、「あのときこう指していれば」と振り返る時間がもう楽しい。その瞬間、あなたはもう将棋の世界に足を踏み入れています。

