京都弁 一覧表|観光にも便利な京都方言ガイド Kyoto Dialect List Japanese

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京都といえば、世界遺産や美しい街並み、そして何より独特な「京都弁」が有名です。観光で京都を訪れると、地元の人が使う言葉のやわらかさや奥ゆかしさに驚く方も多いのではないでしょうか。京都弁は、単なる方言の枠を超えた「京都らしさ」を体現する文化そのもの。
たとえば、「おいでやす」という一言には、「どうぞお越しください」という温かい気持ちがこもっています。このような京都弁は、日本人にとってもどこか“はんなり”とした憧れを抱かせますし、外国人旅行者にも「これぞ日本!」という印象を与えるものです。

初めて京都を訪れる方や、ドラマや映画で耳にする京都弁に興味を持った方も多いはず。でも、実際に京都の人と話してみると、「何を言っているのかわからない…」「敬語なのか、普通なのか分かりづらい」といった戸惑いの声もよく聞きます。
そんな時、「京都弁 一覧表」があれば安心です。本記事では、京都弁の代表的なフレーズや単語を日本語・ローマ字・ふりがなで一覧表にまとめ、意味や使い方も徹底解説します。観光やビジネス、語学学習の参考にご活用ください。

京都弁とは?

京都弁(きょうとべん)は、京都府、特に京都市を中心に話されている日本語の方言です。「京ことば」「京都ことば」とも呼ばれます。
特徴は、柔らかく丁寧な言い回し、語尾に「はる」「どす」「やす」など独自の表現が多いこと、語感が穏やかで品格が感じられる点です。京都人ならではの気遣いや、時には「遠回しな物言い(婉曲表現)」も特徴的で、関西弁の中でも特に奥深いと言われています。

たとえば、何かを断る時にも「結構どすえ」「ちょっとご遠慮しときます」など、やんわり伝えるのが京都流です。この背景には、千年以上続く都の文化や人間関係を大切にする気質が根付いていると考えられています。

たとえ話:京都弁は“出汁”のようなもの

京都弁は、日本料理の「出汁(だし)」のようなものです。素材の味を引き立て、主張しすぎず、全体をまろやかに包み込みます。
「おいしい出汁」は、料理を一層深みのあるものにしますが、その存在を意識しすぎることはありません。同じように、京都弁も会話にそっと色を添え、相手との距離をやさしく縮めてくれます。だからこそ、京都の街を歩くと、なんだか心が和む―そんな感覚になるのかもしれません。

京都弁を知ると京都旅行がもっと楽しくなる理由

観光で京都を訪れると、寺社仏閣や伝統文化だけでなく、地元の方との会話も旅の思い出になるものです。「あ、いま本場の京都弁を聞いた!」と感じた瞬間、きっと心が温かくなるでしょう。
一方で、「難しそう」「何と言われたのか分からない」という不安もありますよね。大丈夫です、この一覧表を活用すれば、京都弁の世界がぐっと身近に感じられます。

京都弁 一覧表(日本語・ローマ字・ふりがな・意味付き)

京都弁ふりがなローマ字標準語の意味使い方・備考
おいでやすおいでやすoideyasuいらっしゃいお店や家に招く時
おこしやすおこしやすokoshiyasuようこそ、お越しくださいより丁寧な「いらっしゃい」
おおきにおおきにookiniありがとう関西圏共通だが京都でよく使う
かなんかなんkanan困る、いやになる「ほんま、かなんわ」など
〜どす〜どす-dosu〜です「そうどす」「おますどす」
〜おす〜おす-osu〜です「はい、おす」など、やや古風
ええええeeいい「ええ天気どすな」
ほんまほんまhonma本当「ほんまやな」
あかんあかんakanダメ、いけない「それ、あかんで」
なんぼなんぼnanboいくら、どれくらい値段を尋ねるとき
いけずいけずikezuいじわる、意地悪な人「そんないけず言わんといて」
せやしせやしseyashiだから「せやし、言うたやん」
ちゃうちゃうchau違う「それちゃうで」
よろしおすよろしおすyoroshiosuよろしくお願いします店や改まった場面
はんなりはんなりhannari上品で華やか、落ち着いた京都特有の褒め言葉
べべべべbebe一番下(順位など)「べべやった」=ビリだった
まったいまったいmattai全然、まったく「まったいあかん」=全然ダメ
つれもてつれもてtsuremote一緒に「つれもて行こか」
おこしやすおこしやすokoshiyasuようこそ、おいでください歓迎の言葉、より改まった表現
よろしゅうよろしゅうyoroshuuよろしく「よろしゅうおたの申します」
かしこかしこkashiko了解しました(丁寧)「かしこまりました」の略
いとさんいとさんitosanお姉さん、お嬢さん「あのいとさん」
ぼんさんぼんさんbonsanお坊さん寺院などで使用
えらいえらいerai大変、しんどい「今日はえらい暑おすな」
いけずやないけずやなikezu yana意地悪ですね「そんないけずやなこと言わんと」
きばってきばってkibatte頑張って「きばってや!」
すんまへんすんまへんsunmahenすみません「すんまへんどした」
いけるやろかいけるやろかikeruyarokaできるだろうか「これ、いけるやろか?」
なんもなんもnanmoなんでもない「なんもおへん」
あんじょうあんじょうanjyouうまく、よく「あんじょうやっとき」
こわいこわいkowai疲れた京都では「疲れた」の意味も
おめしやすおめしやすomeshiyasuお入りください店や家での呼びかけ

※この一覧は2025年5月時点で、京都市観光協会や京都府公式観光ガイド、NHKなどの情報をもとに作成しています。一部表現には地域差や、使われ方に時代的な変化があるため、断定できない部分も含まれます。新しい表現や消えつつある言い回しも適宜補足しています。

京都弁の敬語・丁寧語表現

京都弁の特徴の一つは、独自の敬語や丁寧な言い回しにあります。特に観光やビジネスの場面で役立つ丁寧表現をピックアップします。

京都弁ふりがなローマ字標準語の意味使い方・備考
おはようさんおはようさんohayou-sanおはようございます朝の挨拶
さようおすかさようおすかsayou-osukaそうですか丁寧な相づち
ご無礼しますごぶれいしますgoburei shimasu失礼しますお店や訪問時
いただきますえいただきますえitadakimasueいただきます食事前に
ほな、さいならほな、さいならhona, sainaraそれでは、さようなら別れの挨拶
おつかれさんどすおつかれさんどすotsukaresan dosuお疲れ様です労いの言葉
ようこそおこしやすようこそおこしやすyoukoso okoshiyasuようこそお越しください歓迎の挨拶
おひさしぶりどすなおひさしぶりどすなohisashiburi dosunaお久しぶりですね久々の再会時

使い方のポイントと豆知識

京都弁は、言葉の意味だけでなく「ニュアンス」や「間合い」も大切です。例えば、「あかん」という言葉は「ダメ」という意味ですが、言い方次第でやさしくも厳しくもなります。また、京都の人は直接的な表現を避け、やんわりと伝えることが多いので、相手への思いやりがにじみ出ます。

よくある疑問と悩み

  • 「おおきに」はいつ使えばいいの?
     →「ありがとう」と同じタイミングで気軽に使えます。お店のレジやタクシー、ホテルでもOKです。
  • 「どす」と「おす」の違いは?
     →どちらも「です」にあたりますが、「どす」の方がより一般的で、やや柔らかい印象です。「おす」は古風で、年配の方や格式高い場で使われることが多いです。
  • 京都人にとって「いけず」はどんな意味?
     →単なる「意地悪」というよりも、軽い冗談や親しみを込めて使うことが多いです。ただし、言い方や場面によっては本気の注意やたしなめにもなります。

京都弁の「裏の意味」や“本音と建前”

京都弁には「本音と建前」が隠れていることもあります。たとえば、「考えときますわ」という言葉。表面的には前向きに検討しているように聞こえますが、実は「ほぼ断っている」場合も。
京都の人は相手を傷つけない言い回しを大切にしているので、断定せず曖昧な表現を選ぶことが多いのです。

ちょっとした会話例

例1:観光客と店員さんの会話

  • 観光客「おすすめの料理はなんですか?」
  • 店員 「どれもおいしおすけど、今日は湯豆腐がおすすめどすえ」

例2:京都の友人同士

  • A「今日、めっちゃ暑おすな」
  • B「ほんまやな、えらい暑いさかい、気ぃつけや」

京都弁と標準語の違いを楽しむコツ

京都弁を「難しい」と思わず、「まるで日本の伝統芸能や、抹茶の味わいのように奥深いもの」と捉えると、耳にするたびに発見があります。
知らない単語やフレーズがあれば、この一覧表を見て「これ、どんな気持ちかな?」と想像してみてください。きっと京都人のやさしさや、文化の香りが感じられるはずです。

京都弁に関する注意と参考情報

本記事の内容は、2025年5月時点の京都市観光協会(京都観光Navi)、NHK「チコちゃんに叱られる!」、各種方言辞典などを参考に作成しています。
また、京都弁は地域や世代、場面によっても使い方や意味が異なる場合があります。京都の人に対して使う際は、丁寧な気持ちや、場の雰囲気に気をつけましょう。
※ビジネス・法律・医療等の専門場面での言葉遣いは、必ず専門家や現地の方に確認してください。

まとめ

京都弁は、単なる“言葉”を超えた、京都の歴史と人情が詰まった文化財です。
「おいでやす」と声をかけてもらった時、その一言に込められた心配りを感じてみてください。京都旅行や日本語学習にこの一覧表が少しでも役立てば幸いです。
もし京都で分からない言葉があれば、勇気を出して「それ、どういう意味どすか?」と聞いてみましょう。きっと、やさしい京都人が“はんなり”と教えてくれるはずです。

参考文献

  • 京都市観光協会公式ガイド「京都観光Navi」
  • NHK「チコちゃんに叱られる!」(京都弁特集回)
  • 角川書店「日本方言大辞典」
  • 朝日新聞デジタル「京都弁の奥深さ」特集
  • 京都府公式ホームページ「京ことばの紹介」

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