「最近、健康診断で尿酸値が高めと言われて心配になった」「痛風にならないように食生活を見直したい」――そんな悩みを持つ方が、年々増えています。
プリン体は、食事から摂取する以外にも体内で合成される成分ですが、やはり「どんな食品にどれくらいプリン体が含まれているの？」という疑問は多くの方が抱くものです。
まるでプリン体は“目に見えない落とし穴”のような存在。気付かずに毎日積み重ねていると、ある日突然痛風発作という“落とし穴”にハマってしまうことも……。ですが、食べる楽しみを我慢しすぎるのも辛いですよね。
本記事では、日本の厚生労働省や大手医療機関の情報、2025年最新の公的データをもとに、プリン体の多い食品を分かりやすく一覧表でまとめました。また、実生活で無理なく「プリン体対策」を続けるコツや、食べる時の注意点もご紹介します。
「知ること」は“守ること”。日々の食卓選びに役立つ情報として、ぜひ最後までご覧ください。
プリン体とは？わかりやすい解説
プリン体とは、細胞の核（DNAやRNA）を構成する「核酸」の一部です。人間の体にもともと存在し、代謝の過程で最終的に「尿酸」となります。
尿酸は血液に溶けて体外に排出されますが、過剰になると「高尿酸血症」や「痛風」の原因に。食事から摂るプリン体は全体の2〜3割ですが、食品選びが積み重なるとリスクに影響します。
プリン体は“通行料”？
例えば、プリン体は「道路の通行料」のようなものと考えてみてください。
体内で毎日発生する“車（＝プリン体）”は自然と通るものですが、そこに「プリン体の多い食品（＝通行料の高い道路）」をたくさん使うと、通行料（尿酸）がどんどん増えてしまいます。車（尿酸）が渋滞して詰まると、痛風発作というトラブルにつながってしまう、そんなイメージです。
プリン体の多い食品とは
プリン体は主に「細胞分裂が活発」な食品や、「内臓・干物」などに多く含まれます。
一般的にプリン体が多い食品の代表は、レバー類（肝臓）、魚卵、干物、エビ・カニ、イワシ、カツオ、煮干し、乾燥しいたけなどです。
特に注意したいのは「加工食品」「アルコール飲料（特にビール）」もプリン体が多い傾向があること。
逆に、牛乳や野菜・果物は比較的プリン体が少ない食品です。
プリン体含有量による食品ランク分け
厚生労働省や日本痛風・核酸代謝学会等の基準を参考に、100gあたりのプリン体含有量でランク分けされています。
| ランク | プリン体含有量（100gあたり） | 目安 |
|---|---|---|
| 非常に多い | 300mg以上 | 極力控えたい |
| 多い | 200〜300mg | 摂取量に注意 |
| 普通 | 50〜200mg | 適度ならOK |
| 少ない | 50mg未満 | 比較的安心 |
【一覧表】プリン体の多い食品（日本の食品中心・2025年最新）
〈非常に多い：プリン体含有量300mg以上/100g〉
| 食品名 | プリン体含有量（mg/100g） | 備考（例：種類や調理法など） |
|---|---|---|
| 鶏レバー | 312 | 鶏肝臓、焼き鳥やレバ刺しなど |
| 白子（魚の精巣） | 305 | タラの白子など |
| あん肝 | 399 | アンコウの肝 |
| カツオ節 | 493 | だし・ふりかけの原料 |
| 煮干し | 746 | だし、つまみ |
| 干し椎茸（乾燥） | 379 | 乾物、戻し汁にもプリン体が溶出 |
| いわし（干物） | 305 | 目刺しなど |
| かつお（節） | 211〜399 | 節により変動 |
〈多い：プリン体含有量200〜300mg/100g〉
| 食品名 | プリン体含有量（mg/100g） | 備考 |
|---|---|---|
| 豚レバー | 284 | 豚の肝臓 |
| 牛レバー | 219 | 牛の肝臓 |
| イワシ（生） | 210 | しらす干し、丸干しも高い |
| さば（干物） | 224 | |
| さけ（白子） | 220 | |
| まぐろ（赤身） | 210 | 刺身・寿司 |
| たらこ | 223 | 魚卵類 |
| 明太子 | 159〜210 | ものによって幅あり |
〈普通：プリン体含有量50〜200mg/100g〉
| 食品名 | プリン体含有量（mg/100g） | 備考 |
|---|---|---|
| 鶏肉（もも・むね） | 120〜175 | |
| 牛肉（赤身） | 110〜120 | |
| 豚肉（赤身） | 120〜130 | |
| えび | 158 | 車エビなど |
| かつお（生） | 211 | |
| さけ（生） | 119 | |
| うなぎ（蒲焼） | 92 | |
| ちくわ | 100 | |
| 卵（鶏卵・ゆで卵） | 47 |
〈少ない：プリン体含有量50mg未満/100g〉
| 食品名 | プリン体含有量（mg/100g） | 備考 |
|---|---|---|
| 牛乳・ヨーグルト | 0.3〜1.0 | 乳製品はほぼ含まない |
| チーズ | 2〜7 | |
| 白米・ごはん | 25 | |
| パン | 13 | |
| じゃがいも | 8 | |
| トマト | 3 | |
| きゅうり | 1 | |
| りんご・バナナ | 1〜2 | 果物全般 |
| こんにゃく | 0.1 | |
| 卵（鶏卵・ゆで卵） | 0 |
参考：主なアルコール類（100mlあたり）
| 種類 | プリン体含有量（mg/100ml） | 備考 |
|---|---|---|
| ビール | 3〜10 | 銘柄で変動 |
| 発泡酒 | 3〜10 | 銘柄で変動 |
| 日本酒 | 0.2〜1.2 | |
| 焼酎 | 0 | |
| ワイン | 0.2〜0.4 | |
| ウイスキー | 0 |
ビールや発泡酒はプリン体が含まれていますが、焼酎やウイスキー、ワインはほとんど含みません。ただし、アルコール自体が尿酸値を上げる原因になることもあるため注意しましょう。
よくある質問Q&A
Q. 野菜や果物にもプリン体は含まれていますか？
A. ほとんど含まれていません。特に野菜や果物は気にせず食べて大丈夫と言われています。安心して食事に取り入れてください。
Q. プリン体ゼロの食品ってあるの？
A. 牛乳や卵、こんにゃくなどは「ほぼゼロ」と言われます。ただし「ゼロ」といっても微量は含まれる場合があるので、表示や数値は目安です。
Q. ビールはなぜプリン体が多いの？
A. ビールの原料（麦芽や酵母）にプリン体が多く含まれているためです。プリン体ゼロ・オフのビールも販売されていますが、アルコール自体の影響にも注意しましょう。
Q. プリン体が多い食品を食べると、必ず痛風になりますか？
A. 個人差があります。プリン体摂取だけでなく、体質や飲酒、肥満、ストレス、運動不足なども関係すると考えられています。
プリン体と上手につきあうコツ
プリン体を過剰に恐れるのではなく、バランスよく食事を楽しむことが大切です。
たとえば「好きなものを食べる日は、翌日は控える」「高プリン体の食品は量を調整する」「水分をしっかりとる」「適度な運動を心がける」など、小さな工夫でリスクは大きく減らせます。
「プリン体＝悪者」と思いがちですが、“体に必要な成分”でもあります。
大切なのは“適量を知ること”と“楽しみながら調整すること”。体調や生活スタイルに合わせて、無理せず続けることが長い目で見れば一番の健康法です。
まとめ
プリン体の多い食品は知識として知っておくことが大切ですが、体質や持病によっては食事制限が必要な場合もあります。特に高尿酸血症や痛風の既往がある方、持病がある方は必ず医師や管理栄養士など専門家にご相談の上で食事管理を行ってください。
本記事の内容は2025年時点の公的機関発表や研究データをもとにしていますが、個別の健康状態に関しては医療機関の指示を優先してください。
8. 参考・出典
- 厚生労働省「高尿酸血症・痛風の食事」
- 日本痛風・核酸代謝学会「プリン体含有量表」
- 独立行政法人 国立健康・栄養研究所「食品成分データベース」
- 医療法人社団 いずみ会「最新のプリン体含有量リスト」
- 各食品メーカーの栄養表示
最後に
プリン体とうまく付き合いながら、毎日の食事を“楽しく・美味しく・健康的に”続けていきましょう。もし少しでも不安や疑問がある場合は、遠慮なく専門家に相談してみてください。
あなたの「知識」と「小さな工夫」が、健康で豊かな人生につながります。
（本記事は最新の公的機関の情報をもとに執筆していますが、健康に関する判断は必ず医師や管理栄養士などの専門家にご相談ください。）
