【2025年最新版】日本のハラスメントの種類一覧(英語表記つき)

  • URLをコピーしました!

働く皆さん、毎日お疲れさまです。最近、職場や学校で「○○ハラスメント」という言葉を耳にする機会が増えていませんか?ハラスメントとは本来、「嫌がらせ」や「いじめ」を意味する言葉です。日本ではパワハラやセクハラ、マタハラといった言葉が代表的ですが、それ以外にも実に多くの「○○ハラ」が存在します。
本記事では、2025年時点で日本国内で認識されているハラスメントの種類を網羅し、日本語名と英語表記、定義、主なシーン、そして法的対応の有無を一覧表にまとめました。社会人としてハラスメントの知識を深め、安心して働ける環境づくりの一助になれば幸いです。

ハラスメントの概要と社会的背景

まず、ハラスメントの基本からおさらいしましょう。ハラスメントとは、職場や学校などで相手に精神的・肉体的苦痛や不快感を与える一切の嫌がらせ行為を指します。例えば職場で上司が部下に圧力をかけたり、同僚同士で心ない言葉を浴びせたりすることが該当します。近年、日本社会ではハラスメント問題への関心が高まり、数多くの種類のハラスメントが認識されるようになりました。その数は現在50種類を超えるとも言われ、中でもパワハラ・セクハラ・モラハラ・マタハラなどが代表的です。特にパワーハラスメント(権力を背景に職場環境を害するいじめ)・セクシャルハラスメント(性的言動による嫌がらせ)・マタニティハラスメント(妊娠・出産に関する嫌がらせ)は「3大ハラスメント」とも呼ばれ、被害者本人だけでなく周囲の士気低下や生産性の低下、人材の流出など企業にとっても大きな損失を招く深刻な問題です。

こうした状況を受け、日本では法整備も進みました。パワハラ防止法(労働施策総合推進法の改正)が2020年6月に施行され、企業は職場でのパワハラ防止対策を講じることが義務付けられました。同時に男女雇用機会均等法の改正によってセクハラ防止対策も強化され、企業にはセクハラが起きない職場環境を整える責務があります。また、妊娠・出産や育児休業を理由とする不利益取扱いは禁止されており、マタハラや男性の育休取得に対する嫌がらせ(いわゆるパタハラ)は明確に法律違反とされています。このように国を挙げてハラスメント撲滅に取り組む動きが強まり、ハラスメントに対する社会的な目も厳しくなっています。

一方で、「〇〇ハラ」の種類が多すぎて戸惑う方もいるでしょう。厚生労働省の指針では、職場のハラスメントを「①優越的な関係を背景とした言動」「②業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの」「③労働者の就業環境が害されるもの」という3つの要件を全て満たす場合と定義しています。つまり、単なる注意や冗談でも、相手が立場上逆らえない状況で必要以上の行為をされ、それによって働きづらく感じればハラスメントになり得るということです。大切なのは、相手を不快にさせない思いやりと、お互いに安心できる環境を作ることなのです。

日本におけるハラスメント種類一覧(英語表記つき)

では、2025年時点で日本国内で認識されている主なハラスメントの種類を、日本語名と英語表記つきの一覧表で見ていきましょう。職場だけでなく学校や家庭、オンライン上まで、多岐にわたるハラスメントがあります。それぞれのハラスメント名(日本語・英語表記)について、簡潔な定義、典型的な加害・被害シーン(状況)、そして法的対応の有無をまとめました。ぜひチェックしてみてください(※法的対応「あり」は法律上防止措置義務や直接禁止規定があるものを示しています)。

ハラスメント名(日本語・英語)定義・内容主な加害・被害シーン法的対応の有無
セクシュアルハラスメント(Sexual Harassment)
※略称:セクハラ
職場などでの性的な言動によって相手に不快感を与え、就業環境を害する行為。上司・同僚による性的な発言、身体接触、誘いなど。あり(防止措置義務あり)
パワーハラスメント(Power Harassment)
※略称:パワハラ
職場において、優位な立場を利用し業務の適正範囲を超えて精神的・身体的苦痛を与える行為。上司が部下に罵声を浴びせる、過剰なノルマを課す、暴力行為。あり(防止措置義務あり)
マタニティハラスメント(Maternity Harassment)
※略称:マタハラ
妊娠・出産・産休育休等を理由に、女性労働者に嫌がらせや不利益扱いをする行為。妊娠を報告した女性への嫌味、産休・育休後の降格や退職強要。あり(法律で不利益取扱い禁止)
パタニティハラスメント(Paternity Harassment)
※略称:パタハラ
男性労働者が育児休業や時短勤務を取得・希望した際に嫌がらせや不利益扱いを受ける行為。男性社員が育休取得を周囲に嫌がられる、昇進から外される。あり(法律で不利益取扱い禁止)
ケアハラスメント(Caregiver Harassment)
※略称:ケアハラ
介護休業や介護との両立を理由に嫌がらせを行う行為。家族の介護をする労働者への不当な扱い。要介護家族のいる社員に転勤を強要、介護休暇取得者への嫌味。あり(法律で不利益取扱い禁止)
モラルハラスメント(Moral Harassment)
※略称:モラハラ
言葉や態度で相手の人格を否定し精神的苦痛を与える行為。倫理や道徳に反するいじめ。家庭や職場での暴言・罵倒、無視、侮辱。なし(※他の法律で救済可能な場合あり)
アカデミックハラスメント(Academic Harassment)
※略称:アカハラ
大学や研究機関において、教員・指導者が学生や部下研究者に行う権力的ないじめ行為。教授が学生に課題を過剰に強いる、指導と称し人格攻撃する。なし(※大学のガイドライン等で対処)
カスタマーハラスメント(Customer Harassment)
※略称:カスハラ
顧客や取引先が、その立場を悪用して店員や社員に理不尽な要求・暴言を繰り返す行為。クレーマー客による過度なクレーム対応強要、土下座の強要。なし(※企業が社内対策)
アルコールハラスメント(Alcohol Harassment)
※略称:アルハラ
上下関係を背景に無理やり飲酒させたり、飲めない人を排除したりする行為。職場の飲み会で一気飲み強要、宴席で断ると叱責される。なし(※深刻な場合は傷害罪等適用)
スメルハラスメント(Smell Harassment)
※略称:スメハラ
香水や体臭などのにおいで周囲に不快感を与える迷惑行為。強い香水を職場でつけて周囲が気分悪くなる、体臭を放置。なし
スモークハラスメント(Smoke Harassment)
※略称:スモハラ
喫煙者が非喫煙者に受動喫煙を強いたり喫煙を強要する嫌がらせ。職場で喫煙所以外でタバコを吸い非喫煙者に煙を吸わせる。なし(※受動喫煙防止法は別途あり)
カラオケハラスメント(Karaoke Harassment)
※略称:カラハラ
職場や宴会でカラオケを無理強いしたり選曲を馬鹿にする嫌がらせ。社員旅行で歌いたくない人に強制的に歌わせる、選曲を嘲笑。なし
リモートハラスメント(Remote Harassment)
※略称:リモハラ
リモートワーク環境で生じる嫌がらせ。オンライン勤務者への配慮欠如や行き過ぎた干渉行為。在宅勤務者だけ会議に呼ばれない、常に即応答を強要される。なし
テクノロジーハラスメント(Technology Harassment)
※略称:テクハラ
ITスキルに乏しい人に対し、知識をひけらかして圧力をかける嫌がらせ。年配社員に最新IT知識を過度に要求しできないと叱責する。なし
時短ハラスメント(Jitan Harassment)
※略称:ジタハラ
「業務の効率化・時間短縮」を名目に現場に無理をさせる嫌がらせ。上層部が具体策なく「残業ゼロ」を押し付け現場に丸投げする。なし
リストラハラスメント(Restructuring Harassment)
※略称:リスハラ
辞めさせたい社員に対し、退職に追い込む目的で嫌がらせを繰り返す行為。上司が特定社員に雑用ばかりさせる、閑職に追いやる。なし(※不当解雇等は法で救済可)
エンジョイハラスメント(Enjoyment Harassment)
※略称:エンハラ
「みんなで楽しもう」と強制し、同調しない人を責める行為。社内イベントへの参加を半強制し、不参加者を非難する。なし
就活終われハラスメント(End-of-Job-Hunting Harassment)
※略称:オワハラ
採用内定を出した企業が学生に他社の就職活動終了を強要する行為。企業が内定者に「他社はもう受けるな」とプレッシャーをかける。なし(※行政指導の対象になる場合あり)
エイジハラスメント(Age Harassment)
※略称:エイハラ
年齢や世代を理由に差別したり見下す言動をする嫌がらせ。「ゆとり世代は根性がない」など世代を一括りに非難する。なし
ジェンダーハラスメント(Gender Harassment)
※略称:ジェンハラ
相手の性別を理由に差別的発言をしたり固定的な性役割を押し付ける嫌がらせ。「男のくせに情けない」「女性なんだから家庭を優先すべき」等。なし(※セクハラの一種とされる)
SOGIハラスメント(Sexual Orientation/Gender Identity Harassment)
※略称:ソジハラ
個人の性的指向や性自認を理由に差別・侮蔑する言動をとる嫌がらせ。LGBTQ+の社員に心ない発言をする、カミングアウトを強要する。なし(※企業の自主的なポリシー対応が中心)
セカンドハラスメント(Secondary Harassment)
※略称:セカハラ
ハラスメント被害を訴えた人に対し、非難や圧力をかけて二次被害を与える行為。セクハラ被害を相談した社員が「大げさだ」と周囲に責められる。なし(※企業の防止指針あり)
妊活ハラスメント(Fertility Harassment)
※略称:ニンハラ
妊娠を望む人に対し、妊活の状況を執拗に尋ねたりプレッシャーをかける行為。上司や親族が「子どもはまだか?」と繰り返し詮索する。なし
マリッジハラスメント(Marriage Harassment)
※略称:マリハラ
未婚の人に対し結婚を強要したり「まだ結婚しないの?」と干渉する行為。職場や親族間で独身者に結婚を執拗に勧める、噂話をする。なし
コロナハラスメント(Corona Harassment)
※略称:コロハラ
新型コロナ感染者や関係者に対し、「菌扱い」や差別・排除を行う行為。コロナに感染した社員に出社自粛以上の差別的扱いをする。なし(※悪質な場合は名誉毀損等)
ワクチンハラスメント(Vaccine Harassment)
※略称:ワクハラ
ワクチン接種を強要したり、未接種者を差別・非難する行為。社内で未接種者に接種を執拗に求める、接種有無を暴露する。なし
ロジックハラスメント(Logic Harassment)
※略称:ロジハラ
一見正論のような論理で相手を追い詰め萎縮させる行為。部下のミスに延々理詰めで説教し必要以上に追及する。なし
ハラスメント・ハラスメント(Harassment of Harassment)
※略称:ハラハラ
正当な行為に対して過剰に「それハラスメントだよ」と主張し周囲を萎縮させる行為。注意喚起で叱っただけなのに「パワハラだ」と過剰に糾弾する。なし

※上記は2025年までに一般に認識されている主なハラスメント名称の一覧です。社会や職場環境の変化に伴い、「○○ハラ」は今後も増える可能性がありますが、本質は相手に対する思いやりの欠如から生まれる「嫌がらせ」だという点は共通しています。

「なるほど!」と思えるユニークな○○ハラの例

ところで皆さんは、「お菓子ハラスメント」という言葉をご存知でしょうか?あまり聞き馴染みがないかもしれませんが、実は職場の何気ない場面にもハラスメントが潜んでいる例としてしばしば紹介されます。
例えば、職場で特定の人にだけお土産や差し入れのお菓子を配らず仲間外れにする行為は、「お菓子ハラスメント(オカハラ)」と呼ばれます。出張や旅行の際に会社への土産購入を半ば強制するのも同様です。一見些細な出来事に思えますが、される側にとっては「自分だけ仲間として扱われていない」と感じてしまい、大きなストレスになります。
ハラスメントというとパワハラやセクハラのような深刻なものをイメージしがちですが、この例からも分かるように日常の小さな気遣いの欠如がハラスメントにつながることもあるのです。
「なるほど、こんなこともハラスメントになるんだ」と驚いた方もいるのではないでしょうか。こうしたユニークな名称は話題づくりの側面もありますが、背景にはどんな些細なことでも相手を傷つけうるという教訓が込められているのです。

ハラスメントに悩んだら…不安や悩みに寄り添うポイント

ここまで読んで、「もしかして自分のあの体験もハラスメントだったのかも…」とドキッとした方もいるかもしれません。または、現在まさに職場でつらい思いをしていて、「これはハラスメントでは?」と悩んでいる方もいるでしょう。まず大切なのは、あなたが感じている苦痛や違和感を無視しないことです。ハラスメントかどうか判断がつかず、「自分が我慢すればいいのかな…」「被害だなんて大げさかな…」と自分を責めていませんか?しかし、ハラスメントの定義は相手に不快感や苦痛を与えて就業環境を害する行為です。あなたが今感じている心の痛みは決して「大げさ」などではなく、れっきとしたサインかもしれません。

一人で抱え込まず、信頼できる人や専門の機関に相談してみましょう。社内に相談窓口や人事部門があれば、プライバシーに配慮した上で事情を伝えることを検討してください。また、社外の第三者に話すことで客観的なアドバイスが得られる場合もあります。もし「周囲に相談できる人がいない」「社内には言いづらい」という場合は、各都道府県の労働局や労働基準監督署が設置している総合労働相談コーナーという公的な窓口があります。電話や対面で予約不要・無料で相談でき、専門の相談員が親身に対応してくれます。必要に応じて弁護士や産業カウンセラーなど専門家に相談する方法もあります。あなたの感じている不安や怒りを言葉にすることで、問題解決の糸口がきっと見えてくるはずです。どうか「自分が我慢すれば…」と抱え込まず、適切な支援を受ける勇気を持ってくださいね。

同時に、ハラスメントは加害者側に回ってしまうリスクも誰もが持っています。悪気はなくても相手を傷つけてしまう言動はないか、日頃から想像力と思いやりを持つことが大切です。「自分もついやってしまっていないかな?」と振り返り、気になる点があれば今日から改めれば大丈夫。お互いに尊重し合える職場づくりに、遅すぎるということはありません。

まとめ:気をつけたいポイントと相談先

ハラスメントの種類と具体例を一覧で見てきましたが、最後に今日から実践できるポイントをまとめます。

  • 相手の立場で考える癖をつける: 冗談や指導のつもりでも、相手の表情が曇っていないか気にかけましょう。ちょっとした一言が相手を追い詰めることもあります。職場ではお互い様の精神で、思いやりあるコミュニケーションを心がけたいですね。
  • NOと言える環境づくり: 上司部下や先輩後輩の関係でも、理不尽な要求や不快な言動には「やめてください」と伝えられる風通しの良い職場が理想です。企業側も相談窓口の設置や研修で、そのような環境整備に努めることが求められています。
  • 知識をアップデートする: ハラスメントに関する法律や社会の価値観は変化しています。「昔は当たり前だったから…」という感覚でいると、知らぬ間に加害者になってしまうことも。定期的に研修や情報収集をして、自分の知識を最新に保ちましょう。
  • おかしいと感じたら声を上げる: 被害を受けている側だけでなく、周囲で見聞きした人も「それはおかしいのでは」と声を上げることが大切です。ハラスメントは放置するとエスカレートしがちなため、早めの対応が肝心です。勇気を持って伝えることで、被害拡大を防ぐことにつながります。

最後に、困ったときの相談先をいくつかご紹介します。前述の総合労働相談コーナー(労働局・労基署)のほか、厚生労働省のハラスメント専門サイト「あかるい職場応援団」ではハラスメントに関するQ&Aや相談窓口の情報が提供されています。社内であれば産業医や人事担当者、信頼できる上司に打ち明けるのもよいでしょう。大切なのは「決してあなた一人ではない」ということです。日本社会全体でハラスメント撲滅に取り組んでいる今、声を上げることは決して恥ずかしいことではありません。

日々働く中で、誰もが加害者にも被害者にもなり得るハラスメント。だからこそお互いを思いやる気持ちと、困ったときに支え合える環境を大切にしたいですね。今日学んだ知識を活かし、ハラスメントのない安心して働ける職場づくりをしていきましょう。困ったときは一人で悩まず、周囲や専門機関に相談しながら、心身の健康を最優先に過ごしてくださいね。あなたが安心して「自分らしく」働けることを心から願っています。

本ページに記載されている内容や情報、計算結果等に関して本サイトでは一切責任を負いかねますので、ご了承ください。また、本サイトではアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

CATEGORY MENU